official interview


―新曲「運命のアイラブユー」はchayさんにとっては初のウェディングソングになってますね。

「多保孝一さんから楽曲を受け取った時に、結婚式でみんなが祝福しているような幸せな絵が思い浮かんだんですね。ちょうど実の姉の結婚が決まったり、同じ年の親友も結婚するっていうタイミングでもあって。自分の中では絶対に結婚式にぴったりの曲になるという自信があったので、スタッフに私から『結婚式をテーマにしたウェディングソングにしたい』という提案をしました」


―楽曲自体は、モータウンやフレンチポップを下敷きにした60年代風のポップスですよね。

「そうですね。ウェディングソングというと、感動的なバラードもあるかと思うんですが、そこは私らしく、明るいウェディングソングにしたいな思って。涙ではなく、クラップで明るく楽しく、ハッピーに祝福するというイメージですね。」


―歌詞にはどんな思いを込めましたか?

「姉の結婚式で、これまでの感謝の気持ちを込めたプレゼントとして歌おうと決めていたので、まず、姉と旦那さんにインタビューをさせてもらって。二人が出会ってから結婚に至るまでの話を聞いていく中で、意外だなと思ったことがあって。それは、お互いに最初はタイプでもなくて、付き合うとすら思ってなかったっていうことなんですね。全く違う場所や環境で生まれ育った二人が、ある日、偶然出会って、やがて人生を共にしていくことになる。その出会い自体が奇跡的で不思議なことだっていうことは分かっていたんですけど、<まさかお互いが好きになるなんて思ってもいなかった>っていうところからスタートしているのが面白いし、意外と周りにもそういう人が多いんだなっていうことを知って」


―出会った瞬間に運命の人だと気づくとか、白馬に乗った王子様を待つという曲が多いけど。

「そうではなく、もっとありふれた日常の中に“運命”や“奇跡”は隠れてるんじゃないかなって思ったんですよね。後から思い返してみると、<あの時、彼がこう言ってなかったら今のようにはなってなかったかもしれない>っていうような些細なことの積み重ねで結婚に至ってるというか。元々はタイプじゃなかったっていう方向からの運命の見方をテーマにした曲になってますね」


―実際にお姉さんの結婚式で歌ってみてどうでした?

「泣いてしまったらちゃんと伝わらないから、絶対に泣かないって決めていたんですけど……ウェディングドレスを着た姉の前で歌ったら泣けてきてしまって。結局、号泣して歌えなくなってしまったので、もう1回、歌い直させてもらいました(笑)姉は多くを語るタイプじゃないので、何も言わなかったけど、この曲を聴きながら涙を流していたし、喜んでくれたんじゃないかと思います。ただ、この曲を作るきっかけは、姉の結婚式だったんですけど、新婚さんだけじゃなくて、カップルや長く連れ添ったご夫婦など、たくさんの方に聴いて欲しいなと思っていて。みんなで笑顔で制作したので、この曲を通して、聴いてくれた夫婦間や家族間の愛が大きく育ったら本望だなと思います。」


―さらにカップリングには、ドラマ「地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子」のオープニングテーマに起用された荒井由実のカバー「12月の雨」と、chayさんが初めてピアノで作曲した「私がいるよ」が収録されています。

「ユーミンさんは両親も大好きで、一緒にライブに行ったりもしていて。しかも、今回、ティン・パン・アレーの鈴木茂さんプロデュースのもと、70年代当時のユーミンバンドの方々も参加して頂きました。そのことを両親に報告したら喜んでくれて。1つ、親孝行ができたような気持ちですし、すごくおしゃれで、品のあるサウンド、アレンジになってて。同世代や若い方には新鮮に聴こえると思うし、当時を知ってる方には懐かしさも感じてもらえる1曲になったなと思います。『私がいるよ』は、ジャズバーで私が一人で歌ってるイメージで作ったんですけど、大切な人に対して誰もが思う気持ちを書いてて。恋人や家族、親友など、それそれが思う大切な人を思い浮かべながら聴いて欲しいなと思ってます。3曲ともこれまでにはない挑戦をしているので、26歳になった年相応のchayを感じてもらえたら嬉しいし、同世代の女の子だけじゃなく、幅広い世代の方に届くといいなと思いますね」


取材・文/永堀アツオ